川崎剛一のゲーム体験記

ゲームの話を中心に書きます。

ドラゴンナイト5

ドラゴンナイト5』は2017/07/13よりDMM Gameで提供されているオンラインソーシャルゲームである。ジャンルはRPGということになるが、この手のRPGといえばハックアンドスラッシュ型の周回ゲームを指す。前作にあたる『ドラゴンナイト4』のオリジナル発売日が1994年なので、実に23年ぶりの新作ということになる。

新規性に欠けるシステム

ソーシャルゲームは既にいくつものゲームが出て、あるものは残り、あるものは消えてしまったジャンルであり、後発になればなるほど新規性・独自性が求められるとされているが、『ドラゴンナイト5』にはそれらが欠けている。サイドビューの戦闘画面、贈り物および報酬システムなど全体的には『Flower Knight Girl』を下敷きにしていると考えられるが、既に先行している、ゲームサービスが続く中でさまざまに拡張されてきた他のゲームと比べてもコンテンツに欠け、できることが少ない。現状のままでは新しく始める動機に欠けると書かざるを得ない。

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メイン画面。基本的にクエストしかない

普段できることは「クエスト」と「ハーレム」である。クエストは説明不要だろうが、ハーレムはキャラクタの好感度を上げて「ご褒美シーン」を見るためのメニューである。ただしハーレムで得られるアイテムにはゲーム内で強力な装備/キャラクタと交換できるものがあり、「ご褒美シーン」に興味がなくとも必須である。基本的にはクエストとハーレムだけで進む。
右上にある「強敵」は一見Raidのようだが、このゲームにRaidは存在しない。強敵はクエストを回しているとランダムで挿入される体力無限のボスで、ダメージを稼ぐほど報酬が良くなる…とされているが、あまり面白みはない。

基本システムとバランス

イベントで手に入るキャラが強くガチャで手に入るキャラが弱い。正しくはガチャから超低確率で排出されるSSRキャラクタもその場では使い物にならず、同じキャラクタを数枚引いて「限界突破」で重ねることで初めて戦力になる。排出率1%と設定されているSSRは引くだけでも困難で、それを同種で数枚引くのもあまり現実的ではない。それに対してイベント産キャラはイベントを周回していれば「限界突破」が可能で、強い。結果的にガチャを引く意味が失われている。ただし、イベントを回すにもそれなりの戦力が必要なので、最初のうちは何度か回して最低限の戦力を整える意味はある。

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左がガチャ排出キャラ、右がイベント産キャラ。

戦闘もシンプルで、「攻撃」と「必殺」しかない。いちいちボタンを押していられないので「オート」で回すのが良いが、高難易度のクエストは必殺技のターンを揃えて一気に撃破しないと危険な敵がいたりするので、そのようなところは手動でないと失敗する。

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戦闘画面
いずれにしても戦術の幅が狭く、高難易度を手動で回すよりオートでそこそこのところを周回するほうが楽なので、そちらをつい選んでしまう。オートであれば他のこと(Blogを書くとか)をしながらでも回せるので、やはりオートを選びがちではある。プレイヤーのやる気にも依存するが…。

なおアップデートにより頻度は減りつつあるが、信じられないほどエラーで止まる。クエスト中にエラーが起きると再開もできずやり直しである。基本的なレスポンスにも難があり、ローディングや画面遷移はとにかく「重い」。

総評

オールドゲーマーになじみのあるタイトルの続編として2017年にサービスが開始した…とは信じられないほどの出来の悪さである。これが『ドラゴンナイト』を冠していないければ1時間もしないで投げていたかもしれない。コンテンツの少なさ、致命的なエラー、バランスの悪さが今後のアップデートでどの程度良くなっていくかも不透明で、もしかしたら本作も、今まで消えていった有象無象のタイトルのように短命に終ってしまうのかもしれない。それも一興だろう。エルフの残り香までも看取ろうという物好きのためのゲームである。
ただしキャラクタの可愛さは低レアリティでもそこそこのクオリティが維持されており、「ご褒美シーン」が目当てならばそんなに悪くないかもしれない。エラーの頻度自体は減っているし。